2018
04.17

百年泥を読んだ感想。唸るほどレベルが高い。

読書感想文

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百年泥読了しました。いやー、面白い。とてもレベルが高い作品でした。
マジックリアリズムを使っている、荒唐無稽な作品という前評判だけで読み始めてみましたが、すっかり引き込まれてしまいました。ダリの絵の中に迷い込んだみたいな作品です。

さて気になったところをピックアップしていきます。

たいてい毎朝九時ごろ、すでに三十度をはるか超える残暑の中を私は会社玄関に到着する。その時ちょうど前方で脱翼した人をみると副社長で—

脱翼!?!?そんな言葉は無論ないわけで、脱糞と読み間違えた人もいるのではなかろうか。
いやいや、副社長が脱糞するのはおかしいだろう。脱翼とはこの物語では飛翔通勤している有翼飛行者をさしている。
しかし読み間違えたわけでもないかのように、
p68で、オークションで飛翔通勤の権利を購入する話をしている際には、

「晴れておれがお買い上げのあかつきにはお前に空から一発おみまいしてやる」
「何がおみまいだよ」「朝、トイレがまんしといてよお」

とある。

ここまで読んできて3パターン位の人がいるんじゃないだろうか。

1.実際にインドの富裕層は空を飛んでいると思ってしまう人(プライベートジェット機のような)youtubeやネットで調べた。
2.このストーリーはファンタジーなんだと思う人
3.これは何かの比喩なのではないだろうかと思う人

私は、「3」だと思いました。
翼で通勤しているという表現は、皮肉めいた表現しているのではないかと感じた。
主人公は混雑しているなか通勤してきているのに、エグゼクティブは9時過ぎの通勤ラッシュが終わった時間に遅れてきていることに対してもそうだが、階級社会へのくそくらえ的な感じもするし、翼というのは右翼左翼みたいなことも表現しているのかな。
小説の最後の文にこうある。

いつのまにか最後の段差のところまできていた。橋は尽きた。段差を飛び降りる。左は会社。

段差というのも階級社会を示しているように感じるし、左は会社。ってのも意味を含んでそうです。


なんだろう、このインド旅行記みたいなイラストは笑。この感じだとデーヴァラージというよりは、石井遊佳さんと旦那さんみたいな感じになっていますがな。すっかり石井さんの世界に引きずり込まれました。レベルの高い世にも奇妙な世界に迷い込んだような作品でした。

ちなみに、チェンナイと大阪市が友好都市なのはどうやら本当のようですが、
招き猫とガネーシャ像を交換したのは、本当かどうかわかりません。
何が本当か、何が違うのか、想像力を働かせながら読むと楽しいかと思います。

review5

アマゾンの評価では、途中で読むのをやめている方が多いのが、もったいない!
いろんなことをいちいち説明してくれている小説ではないので、この小説は想像力がない方は、楽しめない作品なのかもしれませんね。

百年泥 第158回芥川賞受賞

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